B4サイズ ぺん 水彩絵の具
与那国島のてぃんだはなたのわきばらにいる
まるで獅子のようなでっっかいライオンみたいな顔の岩壁がある
左目は切れ長で鋭く、けれど優しい光を宿している
右目はいたずらっこみたいにぱちりとウインクしているように見える
くちはきゅっとひきむすばれて有無を言わせない力強さがある
与那国の濃いめの緑の植物の縁取りがたてがみみたく風にゆれる
あたしはひとりで勝手にこの岩を「くっぱさま」って呼んでいる
ときおり真っ白なおおごまだらがひらんひらんと鼻のまわりをとびかって
くすぐったそうにしている
畑のたき火の煙がかかるのをけむったそうに顔をしかめていたりする
たてがみをぬらす雨のカーテンの中でじっとしてぼたぼたと水が垂れるにまかせていたりする
朝は「おはようくっぱさま」
仕事に行くとき「いってきます」
帰ってきたら「ただいま」
片目だけそっとあけて大目に見守ってくれている
ちょっと笑って「わかってる」って風にウインクしてる
なんだか今にも立ち上がりそうな。。。
与那国のスフィンクスたる風情があるのです
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